イタリアでパスタを「混ぜる職人」の学校が誕生、伝統の乳化を伝授

イタリアの首都ローマで、名物パスタをかき混ぜて乳化させる職人の育成学校が設立されます。生クリームを使わない伝統の技と味を守るため、老舗店やチーズ協会が本気で動き出しました。

元のニュース:ANSA(イタリア)(2026年10月31日・外部サイト)

皿に盛り付けられたフェットチーネ・アルフレード(イメージ)イタリア
皿に盛り付けられたフェットチーネ・アルフレード(写真はイメージです)写真: Brooks patty / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・トリミング)
STEP 1

まずは、ざっくりニュース

イタリアの首都ローマで親しまれる名物パスタ「フェットチーネ・アルフレード」は、麺にバターと粉チーズを絡めてとろみを引き出す伝統料理です。

このパスタを完璧に混ぜ合わせる職人を育てるため、現地で2026年12月1日に「マンテカトーレ・アカデミー」が開設されることになりました。

現在は海外を中心に生クリームなどを加える作り方が定着していますが、本来のレシピはチーズとバターしか使いません。

そこでアカデミーでは、食材の選び方や、バターとチーズをなめらかになじませる「乳化」の調理技術を生の講座で伝授します。

さらに保護協会の協力でチーズ専門店やパスタ工房も併設され、公式鑑定士の養成講座や食べ比べコースが用意されました。

発祥に関わる老舗のオーナーらが先頭に立ち、世界へ向けて本物の味と技を正しく届けていく方針です。

STEP 2

ドヤ塾、本日の授業

ポカン君
ポカン君

先生、パスタ1皿を『混ぜてなじませる係』だけのために、ローマに専用学校ができるって本当ですか!? パスタなんて茹でて適当に和えれば終わりじゃないですか!

ドヤ先生
ドヤ先生

適当だと? バターとチーズをかき混ぜてなめらかに一体化させる『マンテカトゥーラ(乳化)』は職人技なんじゃ! この2つだけでとろとろの極上ソースを生み出すのは奥が深いんじゃぞ。

発祥の店で提供される元祖フェットチーネ・アルフレード
発祥の店で提供される元祖フェットチーネ・アルフレード(写真: Civa61 / Wikimedia Commons・CC BY 4.0)
ポカン君
ポカン君

うわ、本当にとろとろですね! じゅるり…。でも、混ぜる専門職なんて、日本のファミレスの厨房で名乗ったら確実に二度見されますよ。

ドヤ先生
ドヤ先生

二度見するやつは本物を知らんのじゃ。イタリアにはパルミジャーノ・レッジャーノ協会公認の『味のマンテカトーレ(混ぜ職人)』という公式の称号まであるんじゃよ。

ポカン君
ポカン君

混ぜるだけで公式認定!? でも、なんでそこまでして学校を作って伝統の混ぜ方を教え込むんですか?

ドヤ先生
ドヤ先生

海外で別物に改造されたからじゃよ。特にアメリカではとろみづけに生クリームを注ぎ、チキンやエビまで盛るのが定番になってしまったんじゃ。

ポカン君
ポカン君

生クリームにチキン!? それ、もはやクリームシチューパスタじゃないですか! 元の料理の影も形もないですよ。

ドヤ先生
ドヤ先生

うむ。1920年代にハリウッド俳優が広めて以来、生クリーム頼みのレシピが定着してな。だからこそ『生クリーム抜きの元祖の技』を取り戻すために立ち上がったんじゃ。

ポカン君
ポカン君

手抜きへの宣戦布告ですね! しかもアカデミーと一緒にチーズ専門店も作って、公式鑑定士の講座までやるんですよね?

ドヤ先生
ドヤ先生

パルミジャーノ・レッジャーノは最低12ヶ月熟成され、検査官が小さなハンマーで叩いて全数検査するほどの宝物じゃからな。チーズへの妥協も許さん構えじゃ。

棚に並んで熟成されるパルミジャーノ・レッジャーノの塊
棚に並んで熟成されるパルミジャーノ・レッジャーノの塊(写真: Gilles Desjardins / Wikimedia Commons・CC BY-SA 4.0)
ポカン君
ポカン君

棚一面のチーズの迫力がすごい! ハンマーで叩いて調べるなんて、スイカの目利き以上の気迫を感じますよ…。

ドヤ先生
ドヤ先生

もともとは100年以上前、料理人アルフレードが産後の妻イネスの体力を回復させるために作った愛の料理なんじゃ。それが今や全米の財団も巻き込む文化防衛戦じゃよ。

ポカン君
ポカン君

奥さんへの思いやりパスタが、1世紀後に国境を越えたチーズ戦争になるとは、創作者も予想外でしょうね。

ドヤ先生
ドヤ先生

うむ、本物の技には魂が宿るんじゃ。…実はワシも昨日、家で乳化を目指して激しくフライパンをあおったら、パスタが天井まで飛んで大惨事になったわい。

ポカン君
ポカン君

先生、アカデミーに入る前に、まず天井の拭き掃除のマスタークラスを受講したほうがいいですね。

STEP 3

ついでに知りたいイタリア

ローマの観光名所「トレビの泉」
ローマの観光名所「トレビの泉」(写真: Wilfredor / Wikimedia Commons・CC0)
ローマの街角にある伝統的な水飲み場「ナゾーニ」
ローマの街角にある伝統的な水飲み場「ナゾーニ」(写真: Wilfredor / Wikimedia Commons・CC0)
イタリアの基本データ
首都
ローマ
人口
約5,885万人
言葉
イタリア語
お金
ユーロ(1ユーロ=約177円。2026年10月の目安)
時差
日本より8時間遅い(夏時間は除く)
  1. 1

    トレビの泉には毎日約3000ユーロが投げ込まれ、慈善団体に寄付されています。

  2. 2

    ローマ市内には「大きな鼻」と呼ばれる無料の水飲み場が約2500カ所以上あります。

  3. 3

    古代遺跡のトッレ・アルジェンティーナ広場は、約350匹の猫が暮らす保護区です。

ことば解説
マンテカトゥーラ
パスタやリゾットの調理中にバターやチーズなどを加えてかき混ぜ、柔らかくクリーミーな乳化状態に仕上げるイタリア料理の伝統技法。
フェットチーネ・アルフレード
平打ちパスタにバターとパルミジャーノ・レッジャーノを乳化させて絡めるローマ発祥の名物料理。

この記事の出典と参考資料

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