アルゼンチンの聖地に信者300万人、庭をキャンプ場に変える住民たち

アルゼンチンの聖地ルハンに、ローマ教皇の訪問で約300万人の巡礼者が集まります。宿泊先が足りない町では、庭をキャンプ場にしトイレを有料で貸し出す住民が相次いでいます。

元のニュース:Clarín(アルゼンチン)(2026年11月1日・外部サイト)

ルハンの大聖堂(バシリカ)とベルグラーノ広場(イメージ)アルゼンチン
ルハンの大聖堂(バシリカ)とベルグラーノ広場(写真はイメージです)写真: Luis Argerich from Buenos Aires, Argentina / Wikimedia Commons(CC BY 2.0・トリミング)
STEP 1

まずは、ざっくりニュース

アルゼンチン中東部にあるルハンの町でローマ教皇レオ14世のミサが決まり、2026年11月11日には約300万人の巡礼者が集まる見込みです。

教皇の手術直後で急な知らせだったものの、不況に苦しむ町の人たちは、ここ数か月の落ち込みを取り戻すチャンスと見ています。

大聖堂の周辺では、店の庭をテント25張分のキャンプ場や駐車場に作り変える人が続いています。

近くの床屋の店主は道具を片づけ、トイレの貸し出しを1回2000ペソ(約200円)で始める予定です。

さらに自室を1日110万ペソ(約11万円)で貸し、自分は同じ敷地内で両親が暮らす場所へ移る男性も現れました。

ふだんは持参したパンを歩道で食べる観光客が多く、店にお金が落ちなかったため、町の人たちの期待はふくらんでいます。

急に訪れた大きな稼ぎどきを生かそうと、町じゅうで迎える用意が大急ぎで進んでいます。

STEP 2

ドヤ塾、本日の授業

ポカン君
ポカン君

先生、教皇のミサに人が来るからって、自宅の庭をキャンプ場にしたりトイレを有料にして稼ぐなんて…いくらなんでも商魂たくましすぎませんか!?

ドヤ先生
ドヤ先生

たくましいのではない、生きる知恵じゃ! ルハン郡の人口は約11万人じゃが、そこにやって来る巡礼者は約300万人。町の収容能力を完全に超えておるんじゃよ。

ポカン君
ポカン君

人口の27倍!? 普段の教室に近隣の全校生徒が詰め込まれるような密度じゃないですか! そりゃホテルも足りませんね。

ドヤ先生
ドヤ先生

そうじゃ。ルハンは国の守護聖人である聖母ルハンを祀る歴史ある聖地でな。市役所も取り締まるどころか、市民の民泊や駐車場など768件を公式ポータルに登録・公開して後押ししておる。

ポカン君
ポカン君

市役所公認の庭ビジネスだったんですか! でも床屋さんが店を片付けて、トイレの有料貸し出しだけじゃなく『お湯』まで売るって…なぜお湯なんですか?

ドヤ先生
ドヤ先生

アルゼンチン人はマテ茶を年間1人あたり6キロ以上も消費するからのう。常に魔法瓶とお湯を持ち歩く習慣があるから、屋外イベントではお湯の補給需要が凄まじいんじゃ。

伝統的なマテ茶器とヤカン
伝統的なマテ茶器とヤカン(写真: seretide / Wikimedia Commons・CC BY 2.0)
ポカン君
ポカン君

写真のひょうたん器にストローで飲むやつですね! 300万人がマイ茶器を抱えて集まるなら、お湯を制する者がこの大イベントを制するわけですね…!

ドヤ先生
ドヤ先生

うむ。現地ではこうした臨時収入やアルバイトを『チャンガ』と呼んでおる。普段は観光客がサンドイッチ持参で店にお金を落とさんから、住民にとっては背に腹は代えられぬ大チャンスなんじゃ。

ポカン君
ポカン君

自室を1日110万ペソ(約11万円)で貸して、自分は同じ敷地内の親が住む場所に引っ越す人までいるって…背に腹は代えられないにも程がありませんか!?

ドヤ先生
ドヤ先生

特需をつかむためなら、親に小言を言われる数日間など安いものじゃよ。長引く不況の中で、ピンチをたくましく知恵で乗り切る庶民パワーなんじゃ。

ポカン君
ポカン君

お湯を売って稼げるなら、ぼくも家のヤカンでお湯を沸かして、近所の公園で『特製お湯スタンド』を開いて一攫千金を狙ってきます!

ドヤ先生
ドヤ先生

日本でヤカン抱えて立っておっても、カップ麺の客が来る前に不審がられるのが関の山じゃ! そもそも誰も魔法瓶なんか持ち歩いとらんぞ。

ポカン君
ポカン君

じゃあ、先生の家のトイレを1回200円にして、玄関の前に『有料トイレ完備』の看板を立てましょうか?

ドヤ先生
ドヤ先生

やめんか! そんな看板を出したら、ご近所さんがパン片手にやって来て、トイレだけ使って立ち去る未来しか見えんわい!

STEP 3

ついでに知りたいアルゼンチン

ルハンの旧市庁舎(カビルド)
ルハンの旧市庁舎(カビルド)(写真: Roberto Fiadone / Wikimedia Commons・CC BY-SA 4.0)
ルハン川と遠くに見えるバシリカの尖塔
ルハン川と遠くに見えるバシリカの尖塔(写真: Gustavo Buzai / Wikimedia Commons・CC BY-SA 4.0)
アルゼンチンの基本データ
首都
ブエノスアイレス
人口
約4,733万人
言葉
スペイン語
お金
アルゼンチン・ペソ(1ペソ=約0.10円。2026年10月の目安)
時差
日本より12時間遅い(夏時間は除く)
  1. 1

    1685年に聖母ルハンを祀る礼拝堂が建てられたことが、現在の聖地の起源とされています。

  2. 2

    ルハンには1792年に着工された旧市庁舎カビルドが残り、かつては議事堂や学校、監獄として使われました。

  3. 3

    1787年にルハン川の河畔で古代生物「メガテリウム」の骨格化石が発見され、現在はマドリードで展示されています。

ことば解説
チャンガ
アルゼンチンなどで使われる、臨時のアルバイトや小遣い稼ぎ、一時的な仕事を指す日常会話の言葉。

この記事の出典と参考資料

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