スイスで庭に下着を埋める実験、2000枚のパンツで土の健康を調査
スイスの研究機関が市民ボランティア約1000人と協力し、各地の庭や畑に2000枚以上の下着を埋める実験を行いました。綿の分解度合いから土の健康状態を測るユニークな試みです。
元のニュース:Telegrafi(コソボ)(2026年10月31日・外部サイト)


まずは、ざっくりニュース
中央ヨーロッパのスイスで、研究チームと市民が力を合わせ、下着を土に埋めて土の健康を調べるユニークな調査を行いました。
2021年にチューリッヒ大学などの研究者が約1000人の市民に呼びかけ、庭や畑に2000枚以上の綿のパンツを埋めてもらったのです。
土の中の微生物は綿をエサにするため、約2か月後に掘り起こしたパンツの溶け具合から、土の元気さが分かります。
2026年に発表された結果では、堆肥などをよく使う個人の庭で分解が一番早く進み、芝生では最も遅いことが分かりました。
また、農家の畑は個人の庭に比べて栄養となる腐植が平均23%少なく、土が水をたくわえる力を高める工夫が大切だと示しています。
研究チームは、市民の協力があったからこそ国じゅうの多くのデータを集められたと振り返っています。
約240人の市民が論文の書き手に名を連ね、この研究は2026年9月にイグ・ノーベル賞を受賞しました。
ドヤ塾、本日の授業

先生、スイス全土で2000枚ものパンツを土に埋めたって…落とし物どころか、大人の悪ふざけにしか見えないんですけど!?

大真面目な科学実験じゃ! スイス連邦の農業研究センターが市民1000人を巻き込んで行った、国で過去最大の土壌調査なんじゃよ。

市民1000人が一斉に庭にパンツ埋めてる公式動画、絵面のインパクトが強すぎますよ! で、なんでわざわざパンツなんですか?

綿に含まれるセルロースを、土の中の微生物がエサとして食べるからじゃ。つまり、パンツがボロボロに溶けるほど『土の中に生き物がウヨウヨいて元気な証拠』になるんじゃよ。

下着が微生物のご馳走になってるんですか!? じゃあ、庭から掘り出した時に原型をとどめてない方が、土としては大成功なんですね。

その通りじゃ。結果を見たら、堆肥をたっぷり使った個人庭園が一番分解が早く、農業用の畑は個人の庭より栄養となる腐植が平均23%も少なかったんじゃ。


写真のこれですね、生ゴミから作る堆肥! でもプロの農家さんの畑より、一般人の家庭菜園の土の方がパンツを溶かしたってことですか?

そうなんじゃ。実は土の腐植を増やすには耕しすぎないことが大切で、畑を耕さない『不耕起栽培』や有機農法の畑では、土の状態が良くて分解も進んでおったんじゃ。

土を耕しすぎない方がいいなんて! 良かれと思って毎日部屋の模様替えされたら、住んでる微生物も落ち着いて暮らせないですもんね…。

しかも土の中の腐植は水をたっぷり蓄えるスポンジの役目も果たすんじゃ。乾燥や干ばつが増えるこれからの地球で、畑を守る命綱になるんじゃよ。

パンツ1枚から、干ばつ対策まで見えてくるなんて奥が深すぎます! 土の中にはそんなにたくさんの生き物がいるんですか?

なんと1万8900種以上の細菌と約6500種の菌類が見つかったぞ。市民240人が論文の共同執筆者になって、2026年9月にイグ・ノーベル賞まで獲ったんじゃ!

パンツを庭に埋めただけで、市民240人が世界的な科学論文の著者になれるなんて、履歴書の特技欄に書きたい実績ナンバーワンですね。

うむ! 笑わせてから考えさせる、まさに市民科学のお手本じゃ。…よし、ワシも庭の片隅に綿のパンツを埋めて、土の元気を確かめてみるかのう!

先生、2か月後に掘り出して新品同様のピッカピカだったら、庭の土が死んでるってバレて立ち直れませんよ…。

…純白の下着を前にして「微生物にすら嫌われておるのか」と絶望する姿など、絶対に見たくないわい。
ついでに知りたいスイス


- 首都
- ベルン
- 人口
- 約910万人
- 言葉
- ドイツ語・フランス語など4言語
- お金
- スイス・フラン(1フラン=約191円。2026年10月の目安)
- 時差
- 日本より8時間遅い(夏時間は除く)
- 1
チューリッヒ市内には1280か所以上もの噴水があり、いつでも澄んだおいしい飲料水が街中に流れています。
- 2
スイスでは社会性のあるモルモットを1匹だけで飼うことが法律で禁じられており、必ず2匹以上のグループで飼う決まりです。
- 3
今回の研究を行ったチューリッヒ大学は、26歳のアインシュタインが博士論文を提出し、教授として初めて教鞭をとった場所でもあります。
- 腐植(ふしょく)
- 植物などの有機物が土の中の微生物によって分解されてできた暗褐色の物質。土の栄養となり、水分を蓄える働きがあります。
- アグロスコープ
- スイス連邦農業研究センターの通称。農業や食品、環境に関する科学的な研究を行う国の公的研究機関です。
この記事の出典と参考資料
- Telegrafi(コソボ)(2026年10月31日)
- Agroscope公式サイト「Beweisstück Unterhose」<br>(agroscope.admin.ch)
- SWI swissinfo.ch(スイス公共放送国際部)<br>(swissinfo.ch)
- スイス連邦環境庁(BAFU)「Boden und seine Funktionen」<br>(bafu.admin.ch)
- Improbable Research 公式サイト「Ig Nobel Prize Winners」<br>(improbable.com)
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