農家が昼夜寝ずの番?ブータンの野生動物から田んぼを守る戦い
ブータンの農家が、収穫間近の田んぼを野生動物から守るため、昼夜を問わず見張りを続けています。15年前に作られた電気柵が古くなり、効果が薄れてしまったためです。
元のニュース:BBS(ブータンの放送局)(2026年10月15日・外部サイト)


まずは、ざっくりニュース
ブータンのプナカ県リンムカ地区で、農家の人々が野生動物から田んぼを守るため、昼夜を問わず見張りを続けています。
この地域では約30世帯が稲作を行っていますが、収穫間近の稲を狙って様々な動物がやってきます。
政府は2011年にこの地区に電気柵を設置しました。
しかし、農家によると15年が経過して古くなった柵は効果が薄れ、野生動物の侵入を防げなくなっています。
農家の人々は投石ひもを手に、昼は鳥を追い払い、夜は田んぼを踏み荒らすイノシシから作物を守らなければなりません。
また、苗を植え替えた早い段階からシカが食べ始めるため、問題は長期間に及びます。
こうした野生動物の脅威の高まりは生産に影響を与えており、すでに約10ヘクタール以上の農地が休耕地になっています。
ゲウォグ(村の集まり)の行政局は自前の資金で金網の柵を設置する余裕がなく、政府による金網柵設置の試験事業に選ばれるのを待っている状態です。
より効果的な柵が提供されるまで、農家の人々の毎日の防衛戦は続きそうです。
ドヤ塾、本日の授業

諸君、ブータンのプナカにある村では今、昼夜を問わぬ「防衛戦」が繰り広げられておるそうじゃ。

防衛戦?まさか、隣の村と水争いでもしてるんですか?

相手は人間ではない。イノシシやシカ、それに鳥たちじゃ。大切な田んぼを守るため、農家の人々が寝ずの番をしておる。

動物対策ですか。でも、フェンスとか立てないんですか?

2011年に政府が電気柵を設置したんじゃがな。15年も経って古くなり、効果が薄れてしまったんじゃ。

15年物のフェンス…。うちの網戸みたいに、気づいたら穴だらけになってるやつですね。

おかげで、昼は鳥を追い払い、夜はイノシシから作物を守るはめになっておる。

どうやって追い払うんですか?まさか素手で格闘とか…。


農家の手にはこんな「投石ひも(スリング)」が握られておる。写真は昔のペルーの物じゃが、これを振って鳥を追い払うそうじゃ。

なんだか本格的な武器が出てきましたね!

イノシシも田んぼを踏み荒らして、収穫間近の稲をなぎ倒してしまうからな。農家も必死じゃよ。

でも先生、ブータンって自然や動物をすごく大切にする国じゃありませんでしたっけ?

その通りじゃ。1960年代から保護区などを設けて野生動物を守っておる。しかし保護された動物が作物を荒らす衝突が課題なんじゃ。

動物を守ったら、その動物にごはんを食べられちゃう…。なんだか複雑ですね。

そうなんじゃ。この地域の議員も、苗を植えた時からずっと見張らなければならないと嘆いておる。

苗を植えてから収穫までずっとですか?寝不足になりそうですね。かかしじゃダメなんですか?

野生動物の被害もあって、この地域ではすでに東京ドーム約2個分の農地が休耕地になってしまったそうじゃ。

「かかし」の話はスルーですか…。早く新しいフェンスを作ればいいじゃないですか!

ゲウォグと呼ばれる村の集まりの役所では、お金がなくて金網の柵を作れないそうじゃ。だから政府の試験事業に頼るしかない。

試験事業って、いつ来るんですか?

それが、第2段階があるということしか分かっておらず、いつ提供されるかは未定じゃ。

日本の畑にある目玉模様の風船とか、キラキラ光るCDとかじゃダメなんですかね?

効くかどうかは、やってみんと分からんのう。まあ、いつ届くか分からん金網の柵よりは、明日にでも飾れるだけマシかもしれん。

休耕地が増え続けたら、本格的な武器どころか戦う場所すらなくなっちゃいますよ。

そうならんよう、金網の柵の第2段階が来るまでは投石ひもで踏ん張るしかない。振れば散って、すぐ戻る鳥との根くらべじゃ。
ついでに知りたいブータン

- 首都
- ティンプー
- 人口
- 約79万人
- 言葉
- ゾンカ語
- お金
- ニュルタム(1ニュルタム=約1.7円。2026年10月の目安)
- 時差
- 日本より3時間遅い(夏時間は除く)
- 1
リンムカ地区があるプナカは、1955年にティンプーに遷都されるまでブータンの首都であり、政府の中心地でした。
- 2
プナカの谷はブータンでも稲作で有名で、主要な川であるポー川とモー川沿いの谷では赤米と白米の両方が栽培されています。
- 3
1637年に建てられた城塞「プナカ・ゾン」は、「大いなる幸福の宮殿」という意味を持っています。
- ゲウォグ
- ブータンの行政区画である「県」の下にある村の集まり。



