ブラジルの町サバラ、庭のジャボチカバ1本で家の税金が5%安く
ブラジルの町サバラでは、庭にジャボチカバの木が1本あるごとに、家と土地の税金が5%安くなります。幹に実がびっしりなる果物で、黒い皮の中の白い果肉は、甘いゼリーのようです。
「ドヤ塾 特別講義」の果物特集は、日本ではなかなか食べられない世界の果物を、その国の暮らしとあわせて味わう特別授業です。


まずは、ざっくり知る
ブラジルには、木の幹や太い枝に実が直接びっしりなる「ジャボチカバ」という果物があります。
南東部のミナスジェライス州にある町サバラは、このジャボチカバの町として知られています。
サバラでは1982年にできた町の法律で、庭にジャボチカバの木が1本あるごとに、家と土地にかかる町の税金が5%安くなります。
対象は1軒で5本までなので、最大で25%安くなる計算です。
町長によると、2024年の時点で1800家族がこの値引きを受けています。
ジャボチカバの実は直径3〜4センチで、しぶみのある紫がかった黒い皮が、甘くてゼリーのような白い果肉を包んでいます。
甘酸っぱいこの実は、木から取ってそのまま食べることが多いそうです。
「ジャボチカバ・サバラ」という種類は、うすい皮が口の中ではじけるのがおいしいと紹介されています。
ただ、この実は、取ってから3〜4日で発酵し始めることもあるほど、傷みやすい果物です。
そのため、育てている地域の外の市場では、生の実はめったに見かけません。
それでもサバラでは、ジャボチカバ祭りがふつう11月に開かれ、2023年には約10万人が訪れました。
ドヤ塾、本日の授業

えっ、庭の木1本で税金が5%も安くなるんですか!? 町はどうして、そこまでして木を増やしたいんですか?

町長いわく、町での生産を後押しし、伝統を守るためじゃ。値引きの前から、実の売り上げの一部を家の税金に回す家もあったそうじゃ。

昔から、木が税金を払ってくれてたんですね。じゃあ苗を5本さしておけば、すぐ25%引きですか?

そう甘くはない。対象は幹の直径が5センチ以上の木で、市役所の係の人が調べに来る。しかも種からだと、実がなるまで10〜20年かかることもある。


10年以上待つって、値引きというより気の長い定期預金じゃないですか! そこまで待つ実って、どんな味なんですか?

よいか、実は熟すほど甘くなり、取りごろは黒くてツヤツヤじゃ。日本では、味が巨峰に似ていると紹介されたこともあるぞ。


巨峰みたいな実が、幹にびっしり…。木がまるごと、ぶどう狩りの会場じゃないですか! じゅるり…。

ところが、取ってから2日以内に食べるのがよいほど傷みやすい。だから昔のサバラには、お金を払って庭の木を借り、木の下で好きなだけ食べる習慣があったんじゃ。

木ごと借りて食べ放題! でも先生、何粒くらいで満足するもんなんですか?

実のなった木を見ると取って味わいたくなるが、1つでやめるのはとても難しいと紹介されておる。昔の観光客は、木の下で実を「吸い」続けたと地元の人は言う。

1粒でやめられない実が、幹に何百粒も…。それ、ポテトチップスの袋が木に実ってる状態ですよ!

この習慣は、2023年の祭りで加工品を作る地元の人が復活させた。祭りの店には、ジャムやアイス、ソース、皮で作ったお菓子まで並ぶぞ。

皮までお菓子に! 木の下で食べ放題して、おみやげまで全部ジャボチカバの1日ですね。

それに昔のサバラでは、町じゅうに実がなるのは1年に2週間ほどだったそうじゃ。今も加工品の店の人は、収穫の時期が短いから実を凍らせておくと話しておる。

食べ放題が1年に2週間だけ!? それなら自分の庭に植えるしかないですね。先生、サバラに家を買って5本植えましょうよ。25%引きですよ!

種からなら、最長20年満期の定期預金じゃぞ。…満期のころ、ワシの耳がまだピンと立っておるかのう。
ついでに知りたいブラジル

- 首都
- ブラジリア
- 人口
- 約2.1億人
- 言葉
- ポルトガル語
- お金
- レアル(1レアル=約31円。2026年10月の目安)
- 時差
- 日本より11時間遅い(夏時間は除く)
- 1
「ブラジル」という国の名前は、昔その海岸にたくさん生えていた木「ブラジルボク」から来たとみられています。
- 2
ブラジルは、南北アメリカでただ1つの、ポルトガル語を公用語とする国です。
- 3
サッカーのブラジル男子代表は、ワールドカップで最多の5回優勝しています。
- ジャボチカバ
- ブラジル原産の果物。直径3〜4センチの紫がかった黒い実が、木の幹や太い枝に直接なる。
この記事の参考資料
- 植物防疫法・第7条(e-Gov法令検索)(laws.e-gov.go.jp)
- 植物防疫法施行規則・第9条(e-Gov法令検索)(laws.e-gov.go.jp)
- 日本に渡航される方へ(植物防疫所、農林水産省)(maff.go.jp)
- Jabuticaba(英語版Wikipedia(en.wikipedia.org)
- Jaboticaba ou jabuticaba(Dicio、ポルトガル語のオンライン辞書、2017年)(dicio.com.br)
- Jabuticaba(ポルトガル語版Wikipedia)(pt.wikipedia.org)
- Jabuticaba: a frutinha nativa do Brasil(Idec、ブラジル消費者保護協会)(idec.org.br)
- Jabuticaba em Sabará: desconto no IPTU impulsionou economia(Diário do Comércio、ミナスジェライス州の経済紙、2024年5月2日)(diariodocomercio.com.br)
- A cidade mineira que dá 25% de desconto no IPTU para quem planta no quintal(O Antagonista、ブラジルのニュースサイト、2026年7月30日)(oantagonista.com.br)
- Cidades reduzem IPTU em até 50% para quem adota cães ou planta árvores(Portal CPA、2020年、2023年更新)(netcpa.com.br)
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