インドのムンバイで手打ち生パスタが急増、街の外食文化を塗り替える
カレー大国インドの商業都市ムンバイで、本格的な手打ち生パスタの専門店が急増しています。外食の好みで中華や南インド料理を抜き、食文化を大きく塗り替えています。
元のニュース:The Hindu(2026年10月25日・外部サイト)


まずは、ざっくりニュース
インド西部の商業都市ムンバイで、外食する市民の56%が好きな料理にイタリア料理を挙げました。
これは中華料理や南インド料理を抜いてトップの人気です。
かつてはピザのついでに頼む脇役だったパスタですが、近年は本格的な「手打ち生パスタ」の専門店が続々と登場しています。
インドのパスタ市場は2025年に約12億ドル(約1,860億円)規模に達し、ムンバイのある州が全国の14.5%を占めています。
2025年にわずか28席で開業した人気店は、生麺を打つ厨房が見える演出で行列を作り、60席以上に店を広げました。
富裕層が集まる地区では、厳選したメニューをそろえ、1皿650〜950ルピー(約1,170〜1,710円)という高めの価格でも定着しています。
客の意識も「何を具に入れるか」から「どの形の麺を味わうか」へと変わり、麺の発祥やソースとの相性を質問する人が増えています。
現地のシェフは、人々が単なる小麦粉料理としてではなく、風味や食感をじっくり味わうためにパスタを選ぶようになったと語っています。
ドヤ塾、本日の授業

先生、カレー大国のインドで手打ち生パスタが大ブームって本当ですか!? 本場のカレーを押しのけて、パスタ専門店に行列ができるなんて信じられません!

フフン、カレーの国という思い込みを捨てることじゃな。インド最大の商業都市ムンバイの外食調査では、なんと市民の56%が好きな料理にイタリア料理を選んでおる。中華料理の46%や、南インド料理の43%すら超えておるんじゃぞ。

地元料理よりパスタが好きって、日本の外食人気調査でうどんやラーメンを差し置いてパエリアが1位になるような異常事態じゃないですか!

昔からそうだったわけではないぞ。かつてムンバイでパスタといえば、高級なイタリア料理店でおっかなびっくり頼むものじゃった。メニューの発音に自信が持てず、無難な「ピンクソースのペンネ」ばかり選んでおったそうじゃ。

カタカナだらけのおしゃれな美容室で、よくわからないから『いつもと同じで』って逃げるぼくと同じ心理ですね。それがどうして急に専門店ブームになったんですか?

ピザのついでに頼む脇役から、パスタそのものを目当てに食べに行く文化へと進化したんじゃよ。インドのパスタ市場は2025年に約12億ドル、日本円で約1,860億円規模に達しておって、ムンバイのある州だけで全国の14.5%を占めるほどの勢いなんじゃ。

1,800億円超え! でも、パスタって家でも簡単に茹でて作れますよね。わざわざ専門店で行列に並んでまで食べる理由って何なんですか?

そこが現地の面白いところでな。実はインドの都市部では、「マハラジ」と呼ばれるお抱えの専属料理人を自宅に雇う家庭が珍しくない。ある有名シェフは『平日の手軽な健康食なら自宅のマハラジに作らせればいい。店に来るのは手仕事の本格パスタを味わうためじゃ』と言い切っておる。

家に専属シェフがいるのが日常って、どんな大富豪タウンですか! 自宅で作れないレベルの手仕事だからこそ、外で食べる価値があるんですね。

鋭い読みじゃな! 実はインドには独自の高い壁があってな。国の食品ルールで卵は肉や魚と同じ「ノンベジ」に分類されて茶色いマークが付くため、厳格な菜食主義者は卵入りの生パスタを食べられないんじゃよ。

あ、卵がダメだと北イタリアの黄色い生パスタはアウトですね! じゃあどうやって解決したんですか?

南イタリアの伝統に倣って卵を使わずセモリナ粉と水だけで打ったり、青菜とチーズの団子を作ったりと工夫したんじゃ。さらに針金を張った専用器具で押し切る伝統パスタ「キタッラ」に、日本の味噌やバター、唐辛子を合わせる遊び心あふれる店まで現れておるぞ。


わ、木枠に弦が張ってあってギターみたいですね! パスタを切りながら一曲弾けそうですよ。日本の調味料と合わせた生パスタなんて、想像しただけでお腹が鳴ります!

食欲旺盛じゃな。客の側も、最初はソースの味で選んでおったのが、今では「手打ちの生麺か」「麺の形状の由来は何か」と麺そのものの違いや歴史を質問するほど熱い視線を注いでおるそうじゃ。

食べる側も職人レベルに詳しくなってるんですね! でも、そんな本格的な生パスタって、お値段もかなり高いんじゃないですか?

富裕層が集まるバンドラ地区などでは、1皿650〜950ルピー、約1,170〜1,710円でも大繁盛じゃ。ただし数キロ離れた地域では100ルピー下げないと通用しないなど、庶民的なエリアではまだシビアな現実もあるようじゃな。

「何を具に入れるか」から「どの麺を味わうか」へ、インドのパスタは麺を楽しむ文化に生まれ変わったんですね。先生もムンバイの行列店に行って、こだわり抜いた手打ち麺を堪能してきたらどうですか?

行きたいのは山々じゃがな…いざ店員に「今夜はどの麺にする?」と聞かれたら、緊張して結局「ピンクソースのペンネをください」と頼んでしまいそうじゃわい。

先生、最先端の専門店まで行って昔のメニューに逆戻りしないでください! 完全にカチコチじゃないですか!

…コホン。ワシはブレずに伝統の味を守り続けておるだけじゃ!
ついでに知りたいインド


- 首都
- ニューデリー
- 人口
- 約13.3億人
- 言葉
- ヒンディー語・英語など
- お金
- インド・ルピー(1ルピー=約1.7円。2026年10月の目安)
- 時差
- 日本より3.5時間遅い(夏時間は除く)
- 1
ムンバイのCST駅(旧ヴィクトリア駅)は、英領時代の見事なゴシック建築を今に伝える現役の巨大駅で、世界遺産に登録されています。
- 2
ムンバイ港の海辺に立つ「インド門」は、英国王ジョージ5世の訪印を記念して1924年に完成した高さ約26メートルの巨大な凱旋門です。
- 3
ムンバイでは「ダッバーワーラー」と呼ばれる配達人が、毎日家庭で作られた温かい弁当を職場まで自転車と電車で正確に届けています。
- マハラジ(Maharaj)(まはらじ)
- インドの家庭で毎日の伝統的な食事を作る専属のお抱え料理人。都市部の中産階級や富裕層で広く雇われている。
- キタッラ(Chitarra)(きたっら)
- 木枠に張った金属の弦の上に生地を置き、麺棒を転がして四角い断面に切るイタリア・アブルッツォ州の伝統器具。
この記事の出典と参考資料
- The Hindu(2026年10月25日)
- Cook charges Rs 18K per house, earns Rs 2 lakh a month: Viral post about Mumbai 'Maharaj' starts salary debate(The Economic Times)(economictimes.indiatimes.com)
- Vegetarian and vegan symbolism(英語版Wikipedia)(en.wikipedia.org)
- Pasta(英語版Wikipedia)(en.wikipedia.org)
- Spaghetti alla chitarra(英語版Wikipedia)(en.wikipedia.org)
- Bandra(英語版Wikipedia)(en.wikipedia.org)
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