ヨルダンで地元リンゴが倉庫に山積み、政府の輸入解禁に農家が悲鳴
中東のヨルダンで、地元産のリンゴが豊作で倉庫に大量に残るなか、政府が安価な外国産の輸入を解禁する見通しとなり、価格崩壊を恐れる農家たちが猛反発しています。
元のニュース:Jordan News(ヨルダン)(2026年10月23日・外部サイト)


まずは、ざっくりニュース
中東のヨルダンでは、北部のマフラクや南部の高地アル・ショーバクなどを中心に、年間およそ1万5000トンのリンゴが生産されています。
今シーズンは気候変動の影響で収穫が遅れたものの地元産が豊富に出回っており、出荷は11月まで続く見込みです。
しかし、農業省が11月1日にもシリア産やレバノン産のリンゴの輸入を解禁する見通しとなり、地元農家が警鐘を鳴らしています。
近隣のシリアやレバノンは年間17万トンから20万トン以上を生産する大産地で、価格は1キロ約30円と極めて安価です。
一方、ヨルダンでは高い生産コストをかけた地元産リンゴが売れ残っており、ある農家は倉庫に300トン、別の農家は600トンもの在庫を抱えています。
これに安価な輸入果物が加われば市場が供給過剰になり、これから旬を迎える柿やオレンジなど他の果物の価格まで暴落しかねません。
農家らは地元作物を守る明確な対策を政府に求めるとともに、非公式ルートでの流入を防ぐ国境監視の強化を訴えています。
また、もし国内で不足が出る場合でも、価格が高く競合しにくい欧州産を輸入すべきだと主張しています。
ドヤ塾、本日の授業

先生、地元でリンゴがどっさり実って倉庫にあふれてるのに、政府が外国からリンゴを輸入しようとするって…自分で自分の足を引っかけにいくようなものですよ!

まさに農家にとっては泣きっ面に蜂じゃな。農家3人だけでも合計1150トンのリンゴを抱えておるんじゃぞ。国内の1日の需要が約80トンから130トンじゃから、たった3人で国内の10日分以上の在庫を持っておる計算じゃ。

たった3人で国全体の10日分以上!? 倉庫を開けたら赤リンゴの壁ですよ! なんでそんなに余ってるんですか?

ほれ、これが現地のリンゴじゃ。実は今年は気候変動のせいで、北部マフラクの収穫開始が遅れてシーズンが10月上旬まで延びたんじゃ。そこに南部ショーバクの収穫期も重なり、11月までヨルダン産が途切れず出回ることになったわけじゃよ。


地元産がたっぷりあるなら、外国からわざわざ買わずに国内のリンゴを食べれば一件落着じゃないですか。

そう簡単にはいかんのが経済の恐ろしさじゃ。お隣のシリアとレバノンは、それぞれ年間17万トンと20万トン以上を誇るリンゴ大国でな。現地の冷蔵倉庫での価格が1キロ約30円(0.20米ドル)という、目を見張る安さで輸出できるんじゃよ。

1キロ30円!? スーパーの見切り品どころの騒ぎじゃないですね! そんな激安リンゴがなだれ込んできたら、地元の果樹園はひとたまりもありませんよ!

そうなんじゃ。ヨルダン全体の年間生産量は約1万5000トンじゃから、お隣2国の生産量はヨルダンの10倍から13倍以上にもなる。そんな巨人が本気で押し寄せてきたら、地元の農家はひと飲みにされてしまうわい。

でも先生、砂漠のイメージが強いヨルダンで、そもそもどうやってリンゴを育ててるんですか? リンゴって涼しい地域の果物ですよね?

よくぞ気づいた! ショーバクは標高約1400メートルの高地で、冬はしっかり冷え込むから温帯果樹が育つんじゃ。じゃがヨルダンは世界で最も水不足が深刻な国のひとつで、点滴灌漑などに頼るため生産コストが跳ね上がるんじゃよ。

水やりにお金がかかってるから、ただでさえ安売りできないわけですね。でも、国内の農家を守るルールとかはないんですか?

もちろんあるぞ。農業省は「農業カレンダー」という制度で、地元産の収穫期には競合する外国産の輸入をストップさせる仕組みをとっておる。じゃが今回は、11月1日にその輸入ゲートを開けてしまう見通しなんじゃ。

カレンダーのめくり方を間違えたんですかね…? しかもこれから柿やオレンジの収穫期も控えてるのに、果物市場が供給過剰で大暴落したら、農家さんが全員共倒れになってしまいますよ!

その通りじゃ。だから農家らは「どうしても足りなくなってから、価格が高くて競合しにくいヨーロッパ産を輸入してくれ」と訴えておるんじゃよ。さらに国境からの抜け道(密輸)がないか、監視を強めるよう求めておる。

「輸入するならライバルになりにくい高いヤツにしてくれ!」って、農家さんの切実すぎる叫びですね…。安い外国産を求める消費者と、死活問題の農家さんで板挟みってことですか。

物価を抑えたい消費者と、コスト高に苦しむ農家のバランス取りはどの国でも至難の業じゃ。…まあ、1キロ30円の激安リンゴを見かけたら、ワシだってカゴいっぱいに買い込んでしまいそうじゃがな。

農家さんの悲痛な叫びを解説した直後に、安売りセールに飛びつく消費者目線全開になるのやめてもらえますか?

…コホン! お得な特売に目がないのは、人類もうさぎも同じなんじゃよ!
ついでに知りたいヨルダン

- 首都
- アンマン
- 人口
- 約1,043万人
- 言葉
- アラビア語
- お金
- ヨルダン・ディナール(1ディナール=約223円。2026年10月の目安)
- 時差
- 日本より6時間遅い(夏時間は除く)
- 1
ヨルダンのリンゴ産地ショーバクには、1115年に十字軍が標高約1300メートルの丘の上に築いた「モントリオール城」の遺跡が今も残っています。
- 2
ヨルダンは国土の8割以上が砂漠で、国民1人あたりの水資源量は世界で最も乏しい国のひとつですが、点滴灌漑を駆使して果樹栽培が行われています。
- 3
ヨルダンは秋から冬にかけて、リンゴに続いて柿やクレメンタイン、オレンジなどのかんきつ類の収穫期が次々とやってくるフルーツリレーが楽しめます。
この記事の出典と参考資料
- Jordan News(ヨルダン)(2026年10月23日)
- ショーバク地方自治体公式サイト(shobak-jo.com)
- ヨルダン国営通信社(Petra)(petra.gov.jo)
- 国連食糧農業機関(FAO)(fao.org)
- 米国農務省 海外農業局(USDA FAS FAIRS Report)(fas.usda.gov)
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