オランダの大学が「女性枠」を作ろうとしたら…大臣が待ったをかけた事情
オランダのデルフト工科大学が、航空宇宙工学の学部に女性の学生の枠を設けようとしたところ、教育大臣から「認められない」とストップがかかりました。そこには法律上の理由がありました。
元のニュース:NOS(オランダ公共放送)(2026年10月16日・外部サイト)


まずは、ざっくりニュース
オランダの名門・デルフト工科大学の航空宇宙工学部では、女子学生の入学者数が構造的に少ない状態が長年続いています。
そこで大学側は、女性の割合を増やすため、定員の一部をあらかじめ女性に確保する「女性枠」の導入を計画しました。
この計画は今年6月、国の独立機関である人権委員会からも「男性への影響は限られており正当な目的がある」と承認を受けていました。
しかし、国の教育大臣はこの計画を認めず、導入にストップをかけました。
現在の法律では本人の能力や適性に基づいてしか選考基準を設けられず、性別で枠を作るには法改正が必要なためです。
また省側は、もし法律を変えれば、他のあらゆる優遇措置をめぐる議論まで呼び起こしかねないと説明しています。
国としては女性枠の代わりに、女性が技術系の仕事に興味を持つような別の支援策で進学を促したい考えです。
これに対し、約10年間対策を続けてきた学部の責任者は「手を尽くしたが成果はわずかだ。本当の変化にはこの枠が必要なのに」と失望を語っています。
ドヤ塾、本日の授業

諸君、今日はオランダのニュースじゃ。大学が女性の枠を作ろうとしたら、人権委員会は「よい」と言ったのに、教育大臣がストップをかけたんじゃ。

人権委員会は「よい」、大臣は「ダメ」…審判が2人いて判定が割れた試合みたいですね。

うむ。デルフト工科大学の航空宇宙工学では女性が少なく、定員440人のうち30%を女性枠にする計画じゃった。

日本でも女子枠を作る大学が増えているのに、オランダはなんで揉めてるんですか。

オランダの今の法律では、性別ではなく、質でしか要件を決められないんじゃよ。

じゃあ、法律を変えればいいじゃないですか。

そう簡単にはいかん。法律を変えれば、ほかの様々な優遇措置についても議論になりかねないと、省は言っておる。

要するに「法律をいじると、ほかの特別扱いの話まで出てくる」ってことですよね。

まあ、制度を変えるというのは、それだけ影響が大きいということじゃな。

それで、大学の人はなんて言ってるんですか。

学部長はがっかりしておるよ。「本当の変化を起こすには、どうしても必要だ」とな。

学部長さんも、板挟みで大変そうです。

うむ。2019年に、アイントホーフェン工科大学が教員の求人を最初の半年は女性だけに限ったこともあるんじゃ。

えっ、半年間も男性は応募できなかったんですか。

まあ、それくらい思い切らないと、本当の変化は起きないということじゃろう。…もっとも、最初の半年だけじゃがな。

それで、今回の大学の女性枠はどうなるんですか。

大臣は現行法の範囲内で、女性が技術系の仕事に興味を持つような、別のプログラムを展開するそうじゃ。

440人のうち132人で3割…ボクのテストの正解率より高い目標ですね。

おぬしの正解率と比べるでない。学部長は「約10年前からあらゆる対策を講じたが、わずかな成果しか出なかった」と言っておる。それくらい遠い3割なんじゃ。

人権委員会が「よい」と言っても、大臣が「法律が先」…結局いちばん強いのは法律なんですね。

強いというより、変えるのに手間がかかるんじゃ。法律を簡単に変えられる法律を作らんといかんのう。
ついでに知りたいオランダ


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デルフトという地名は、オランダ語で「掘る」を意味する「delven」に由来しています。
- 2
オラニエ公ウィレムが1572年から住み、1584年に亡くなった町です。オラニエ家が代々埋葬されており「プリンスの町」とも呼ばれます。
- 3
17世紀のオランダで最も有名な画家の一人で、デルフトで洗礼を受け、同じ町で埋葬されたヨハネス・フェルメールのゆかりの地です。


