韓国・仁川の町なかの河口、クロツラヘラサギの子育てで保護地域に?
韓国の仁川市が、市内を流れる承基川(スンギチョン)の河口を湿地の保護地域にしようと動き出しました。洪水よけの池の島に、絶滅危惧種クロツラヘラサギが子育てに来ているからです。
元のニュース:聯合ニュース(韓国の通信社)(2026年10月8日・外部サイト)


まずは、ざっくりニュース
韓国の仁川市は2026年10月8日、市内を流れる承基川(スンギチョン)の河口を「湿地保護地域」にするための詳しい調査を、国に求めたと発表しました。
河口には、絶滅危惧種の鳥クロツラヘラサギが子育てをする島があります。
指定されれば、仁川の内陸では初めての湿地保護地域になると、韓国の聯合ニュースが伝えました。
対象は、河口にある南洞(ナムドン)遊水池の水面と水辺、それに子育ての島の一帯で、広さは約83万5千平方メートルです。
2024年6月の調査では、遊水池の大きな島で最大436羽のクロツラヘラサギが見つかりました。
コウノトリやオジロワシ、ヒシクイなど、ほかの絶滅危惧の鳥もすんでいます。
国立生態院も、ここを中心的な繁殖地と認め、指定の条件を満たすと判断しました。
ただ、この遊水池は、洪水のときに水を受け止める防災の池でもあります。
市の内部からは、保護地域になると決まりで行動が制限され、災害への対応が難しくなるかもしれないという心配も出ています。
市の関係者は、関係部署と話し合ってから、進めるかどうかを決めると話しています。
進めるなら、住民説明会や公聴会も開く計画です。
ドヤ塾、本日の授業

諸君、ドヤ塾の時間じゃ。今日は韓国の仁川じゃ。町なかを流れる承基川(スンギチョン)の河口を、湿地の保護地域にしようという話が出ておる。

湿地なら、ぼくの部屋の押し入れも負けてません。保護してもらえますか?

押し入れにおるのはカビだけじゃ。仁川の河口には、絶滅危惧種の鳥クロツラヘラサギが子育てに来ておるんじゃ。

えっ、大都市の川の河口で子育てですか?絶滅しそうな鳥って、もっと人のいない島とかにいるものじゃないですか?

よいところに気づいたのう。もともとは沖の無人島でしか子育てせん鳥だったそうじゃ。それが2009年、南洞(ナムドン)遊水池の小さな島に4組のつがいがやって来た。

遊水池って、なんですか?

よいか、洪水のときに水を受け止める池じゃ。南洞遊水池は1988年に、工業団地の浸水を防ぐために造られたんじゃ。

工業団地の浸水よけの池!じゃあ、その島も鳥のために造ったんですか?

それが違う。島はもともと、造園と水位を測るための施設じゃった。そこに鳥が住みついて、卵を温め始めたんじゃ。

つまり、物置だと思ってた部屋が、いつの間にか子ども部屋になってたってことですか。

身もふたもないが、まあそうじゃ。人間が用途を書類に書いても、鳥は読まんからのう。

しかも2024年6月の調査では、遊水池の大きな島で最大436羽が見つかっておる。

4組のつがいから436羽!ドヤ塾の生徒は、開業以来ずっと1人なのに。

…コホン。塾の話はよい。この鳥は、2025年の世界一斉の調査で、世界に7081羽しか数えられておらんのじゃ。

世界で7081羽…。小さな町の人口くらいですね。仁川には、そのうちどれくらいいるんですか?

仁川市によると、半分を超える3828羽が仁川に住んでおる。1995年には世界で430羽しか残っておらんかったのが、ここまで増えたんじゃ。

世界の半分以上が仁川!この鳥にとって仁川は、本社みたいなものですね。

うまいことを言うのう。子育ては朝鮮半島の西海岸や中国の一部でする。そして冬は、九州を中心に日本にも越冬に来るんじゃ。

夏は韓国で子育て、冬は九州で過ごす鳥もいる…。ぼくより、よっぽどいい暮らしじゃないですか。じゅるり。

ワシも若いころは、冬になると南の島へ渡ってのう…

先生、その話は長いのでまた今度で。それより、保護地域になると何が変わるんですか?

…コホン。国立生態院の検討で、ここはクロツラヘラサギの中心的な繁殖地じゃと認められた。市は、国に詳しい調査を求めたんじゃ。

湿地保護地域の中では、建物を建てることや、水位や水の量を変えることなどが禁じられておる。

えっ、水位を変えちゃだめ?でもそこ、洪水のときに水をためる池ですよね?

そこじゃ。市の中からも、決まりで縛られて災害対応が難しくなるかも、という心配が出ておる。急ぎの災害対応は例外とされておるがのう。

鳥を守るか、町を水から守るか…。どっちも大事なやつじゃないですか。

じゃから市は、関係する部署と話し合ってから、進めるかどうか決める。進めるなら、住民説明会や公聴会も開くそうじゃ。

順番を踏むんですね。日本だったら、話し合いのための話し合いの日程調整をしてるうちに、ヒナが巣立ちそうです。

巣立つどころか、ひ孫が九州に越冬に来るころじゃな。…耳が痛いわい。

先生、ドヤ塾も保護地域にしてもらいましょうよ。生徒1人の、立派な絶滅危惧種ですし。

守る前に増やさんといかん。鳥ですら、4組のつがいから436羽まで増えたというのにのう。…さて、今日のまとめじゃ。
ここだけ覚えて帰ろう
- 1
韓国・仁川市が、町なかの川の河口を湿地の保護地域にしようと動き出した。
- 2
洪水よけの池の人工島で、絶滅危惧種クロツラヘラサギが子育てしている。
- 3
防災の池なので、保護で災害対応が難しくなるという心配も市の中にある。
- 湿地保護地域(しっちほごちいき)
- 韓国の湿地保全法で、特に守る価値のある湿地を指定するもの。めずらしい生き物や絶滅危惧の生き物がすむことが、指定の条件の1つ。
- 遊水池(ゆうすいち)
- 洪水のときに水を受け止めて、浸水を防ぐための池。南洞遊水池は1988年に、工業団地の浸水を防ぐために造られた。



