ニュージーランド、カード手数料に上限。なのに上乗せする店は増加

ニュージーランドで、カード決済の手数料に上限ができました。客への上乗せ料金も減るはずでしたが、上乗せをする店はむしろ増えています。手数料が下がった分は、客に届いているのでしょうか。

元のニュース:RNZ(ニュージーランド公共放送)(2026年10月6日・外部サイト)

STEP 1

まずは、ざっくりニュース

ニュージーランドで、カード決済の手数料に上限を設けるルールが始まりました。

対象は、客がカードで払ったときに店の銀行が客の銀行へ払う「インターチェンジ手数料」です。

公共放送RNZの報道の時点で、国内のカードは前の年の末から、外国のカードは5月から上限がかかっています。

ところがRNZによると、店も客も、まだ効果を実感できていません。

ルールには、店がカード払いの客に上乗せする「サーチャージ」が減るという期待がありました。

しかし商務委員会に任意で出されたデータでは、国内カードの上限開始後の3月、平均のサーチャージは下がり、かける店は増えました。

小売業者の団体リテールNZは、非接触決済の広がりで手数料がかさむ可能性を挙げます。

2016年はクレジット払いが44%でしたが、今は非接触が72%です。

消費者団体コンシューマーには、6%の上乗せなど、高すぎるサーチャージの苦情が今も届いています。

団体は禁止を支持していますが、リテールNZは、禁止しても手数料は店がかぶるか客に回るだけだとしています。

政府は報道と同じ年の半ばに禁止を始める予定でしたが、報道時点で実現していません。

STEP 2

ドヤ塾、本日の授業

ドヤ先生
ドヤ先生

諸君、ドヤ塾の時間じゃ。今日はニュージーランドの、カード払いのお金の話じゃ。

ポカン君
ポカン君

カードなら得意です。使うのは得意で、明細を見るのが苦手です。

ドヤ先生
ドヤ先生

よいか、ニュージーランドには、カードで払った客に店が料金を上乗せする「サーチャージ」があるんじゃ。

ポカン君
ポカン君

カードで払うと高くなるんですか。ポイントで得したつもりが、入口で取られてるじゃないですか。

ドヤ先生
ドヤ先生

店にも事情がある。客がカードで払うと、店の銀行が客の銀行に「インターチェンジ手数料」を払うんじゃ。

ポカン君
ポカン君

もう汗が出てきました。銀行どうしでお金が行き来してる、でいいですか。

ドヤ先生
ドヤ先生

それでよい。国はこの手数料に上限を作った。国内のカードが先に始まって、外国のカードは5月からじゃ。

ポカン君
ポカン君

元が安くなれば、上乗せも減る。めでたしですね。

ドヤ先生
ドヤ先生

ところが商務委員会に任意で出されたデータでは、国内カードの上限が始まった後の3月、平均の上乗せ率は下がったが、上乗せをする店の数は増えたんじゃ。

ポカン君
ポカン君

下げたのに増えた? 雨がやんだら、傘をさす人が増えたみたいな話ですね。

ドヤ先生
ドヤ先生

役所がルールを1行書くと、世の中は3行ぶん動く。思った方向に動くとは限らんがのう。

ドヤ先生
ドヤ先生

しかもVisaやMastercardでの支払いが増えて、店の負担は全体で増えた。手数料のかからないeftposで払う人は減っておる。

ポカン君
ポカン君

タダの払い方があるのに、みんな使わなくなったんですか。

ドヤ先生
ドヤ先生

小売業者の団体リテールNZは、非接触決済が広がったせいかもしれんと言う。2016年はクレジット払いが44%、今は非接触が72%じゃ。

ポカン君
ポカン君

カードをかざすだけのやつですね。楽なんですよ、あれ。

ドヤ先生
ドヤ先生

人は楽な方に流れる。そして楽の代金は、たいてい誰かが黙って払っておるんじゃ。ワシの若いころはのう…

ポカン君
ポカン君

先生、その話は長いのでまた今度で。楽にお金がかかるのは、ぼくの人生でもう習いました。

ドヤ先生
ドヤ先生

…コホン。消費者団体コンシューマーには、高すぎる上乗せの苦情が今も来ておる。シャトル会社で6%という例もあった。

ポカン君
ポカン君

6%…。歩きます。いや、歩くのは面倒なので、現金を握りしめて乗ります。

ドヤ先生
ドヤ先生

コンシューマーは、手数料が下がった分が客まで届いておらんのでは、と心配しておる。団体は上乗せの禁止も支持しておる。

ポカン君
ポカン君

そもそも店は、自分が払っておる手数料の全体が見えているんですか。

ドヤ先生
ドヤ先生

それがのう、リテールNZのヤング氏は、銀行の明細が読みにくくて、全体がつかみにくいと話しておる。

ポカン君
ポカン君

明細って、読ませないために書いてあるんですか。うちの給与明細も、そんな気がしてました。

ドヤ先生
ドヤ先生

明細というのは、細かく書くほど何も分からなくなる芸術品じゃ。じゃが店も楽ではない。2%の差で、赤字かどうかが決まる店もあるそうじゃ。

ポカン君
ポカン君

じゃあ、上乗せを禁止したらどうなるんですか。

ドヤ先生
ドヤ先生

ヤング氏は、禁止してもしなくても手数料は誰かが払う、店がかぶるか客に回すかだ、と言っておる。

ポカン君
ポカン君

つまり、払う人の名札が付け替わるだけってことですか。

ドヤ先生
ドヤ先生

身もふたもない言い方じゃが、まあそうじゃ。上乗せの禁止も、始める予定の時期を過ぎたのに、まだ進んでおらん。

ポカン君
ポカン君

日本でも「速やかに検討します」って言われたら、だいたい来年以降ですもんね。

ドヤ先生
ドヤ先生

ワシの塾の看板の塗り直しも「速やかに検討」して3年目じゃ。授業料はにんじん払いじゃから、手数料はかからんがのう。

ポカン君
ポカン君

じゃあ、にんじんを買いに行く手間賃として、5%引いておきますね。

ドヤ先生
ドヤ先生

客の側から逆の上乗せをするでない。…さて、今日のまとめじゃ。

STEP 3

ここだけ覚えて帰ろう

  1. 1

    NZはカード決済で店が払う手数料に上限を設けたが、効果の実感は薄い。

  2. 2

    平均の上乗せ率は下がったが、上乗せをする店の数は増えた。

  3. 3

    上乗せの禁止は、RNZの報道の年の半ばに始める予定だったが、まだ実現していない。

ことば解説
サーチャージ
客がカードで払うときに、店が代金に上乗せする料金。
インターチェンジ手数料
客がカードで払ったときに、店の銀行が客の銀行に支払う手数料。ニュージーランドでは国が上限を決めた。
eftpos(エフトポス)
カード払いの仕組みの一つ。この記事では、手数料のかからない支払い方として出てくる。